北川勝人(日本大学生命資源科学部獣医学科 教授)

 獣医神経病学会は、1993年に研究会として発足しました。その当初からMRIやCTという高度画像診断法が小動物医療へ波及しはじめていて、本学会は、その小動物神経病分野における画像診断法と共に急速に発展してきたと思います。そのため以前と比べ、様々な神経疾患が診断可能となっています。そして診断法の確立と共に脳神経外科など積極的な治療も行われるようになっています。現在、獣医神経病学会は神経内科と神経外科の両分野において発展していると思います。  
 今年度より北川が第6代の会長を拝命しました。私自身は大学教員として本学会に所属しておりますが、教員になる前は長い間一次診療の動物病院に勤務しており、一次病院での神経病診療の限界を感じていました。また、神経病を勉強する機会も少ない中で様々な疑問を解決できないまま診療していたと思います。会長として、これまで諸先輩方が残された成果で構築されている神経病学会をさらに発展させるよう努力したいと思います。また、他学会、また会員相互の連携をとりながら、獣医神経病に対する学術的な情報を臨床現場に役立たせるための助けができる学会を目指したいと思います。会員および関係者のみなさんのご指導とご支援を心からお願いいたします。